シフト作成のヒント

労務管理で直面する難題の一つが、職員の勤務時間管理であり、毎月のシフト表の作成で頭を悩ますシフト作成担当者が多いようです。

平日だけではなく土曜日も営業日とし、朝早くから夜遅くまでを交代で勤務させる。そして、特別行事などで日曜日に出勤してもらうこともあったりしながら、常勤職員やパート職員を上手く活用しながらシフト表を作り続ける必要があります。

その中で当然、労働基準法も考えた運用まで求められます。

当事務所では、特に変形労働時間制を含めてその事業にあった勤務シフト作成の相談も行っています。

知らないままで作成していた勤務シフトが実は、労働基準法違反であったなんてことにならないように気をつけていきたいですね。

では、ここではシフト表を作成する上で、知っておきたい労働時間の制度やパターンについて、ご紹介します。

労働時間の制度を決定する

法定の労働時間は原則1日8時間、1週間40時間と決まっています。

この勤務時間枠のなかでシフトを組んでいくわけですが、ここでは大きく別けて3パターンの制度を見ていきます。

  • 変形労働時間制を使わない通常の交代制シフト

 就業規則に始業就業時刻やパターンなどを記載するオーソドックスな方法。

  • 1カ月単位の変形労働時間制シフト

 労使協定か就業規則への記載が必須で、仕組みは簡単であり多くの保育園で採用されている。

  • 1年単位の変形労働時間制シフト

 労使協定と就業規則への記載が必要で、複雑な要件があるので考えることが多いですが上手く活用できれば最大の労務効果を発揮できます。

 では、具体的に3つの制度の簡単なご紹介をしていきます。

通常の交代制勤務

変形労働時間制を採用していないで、1週間40時間以内の勤務時間に設定する場合で、1日の所定勤務時間を8時間に設定すると事実上の完全週休2日制となります。(8時間×5日=40時間)この場合は、土曜日は交代で出勤し、平日に1日休むパターンとなります。

これを売りにして保育士さんをはじめとする職員に、アピールする保育園もあります。ちなみに、この保育園の業界で完全週休2日制の採用はまだ少なく、平日5日勤務をこなし、更に土曜日を月に数回は勤務してもらう場合が多いでしょう。

しかし、下の表にありますように1日7時間で平日5日勤務をした場合は、残りが5時間分しかなく、月1回までの土曜日勤務が限界となります。(2回目の土曜勤務をさせる場合は時間外勤務。)

通常の1日の勤務時間 週5日の所定勤務時間 土曜日
8時間の場合 40時間 休み
7時間の場合 35時間 1日5時間まで

※日曜日は休日とした場合

完全週休2日制や土曜日勤務が少ないことをアピールする場合は、通常の交代勤務制度はなじみますが、一般的には次にご紹介する変形労働時間制度を採用する場合が多いでしょう。

1か月単位の変形労働時間制

1か月間を平均して1週間の所定勤務が40時間の場合で、勤務シフトを組むにあたり知っておくべきことをご紹介します。

まずは、1か月に合計してどれ位の時間と、日数を勤務してもらうかを知る必要があります。

 1か月間に可能な所定勤務時間の合計は以下の表を参考にして下さい。

 

1週間を平均して40時間とする場合
1か月の暦日数 総労働時間枠 対象の月
31日の場合   177.1時間 (1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月)
30日の場合   171.4時間 (4月、6月、9月、11月)
29日の場合   165.7時間 (2月)
28日の場合   160.0 時間

 ※起算日が毎月1日の場合

☆9月で例えると、当月は30日間あるので、171.4時間までで、勤務シフトが収まることが必要です。

可能な勤務日数の計算は、仮に1日が7時間30分の所定労働時間だけであるとすれば、

171.4÷7.5=22.8 つまり、9月は22.8日間の所定勤務日数が可能となります。

 

☆難しいことは考えず、一旦必要な人員をシフト化してから検算するのも良いかもしれません。

例えば同じ9月で、平日の所定勤務時間が7時間30分で20日間、土曜日の所定勤務時間が6時間で、  月2日間ある場合は、合計勤務時間は162時間なので、上記表の総枠に収まるのでOK。

仮にこの月に運動会があるので、ある日曜日に8時間勤務を1日分追加しても170時間なので総枠に収まることになります。

このように、1か月単位の変形労働時間制は、1か月の総労働時間を意識してシフト作りをすることとなります。仮に総枠を超えた場合は単純に超過勤務時間として賃金の支払いをするか、別の工夫が必要になってきます。

1年単位の変形労働時間制

ここでは、1年間を平均して、1週間の所定勤務時間が40時間になる場合を見ていきます。

1年間の総勤務時間の枠は365日と366日(うるう年)で、1日の所定労働時間として数パターン例を下の図にまとめています。

 

1週間平均40時間制
所定勤務時間(1日あたり) 365日(2085時間) 366日(2091時間)
年間勤務日数
9時間の場合 231日 231日
8時間の場合 260日 260日
7時間45分の場合 269日 268日
7時間30分の場合 278日 277日
7時間15分の場合 287日 287日
7時間の場合 297日 297日

 

☆例えば1日7時間30分が所定勤務時間の場合は年間278日以内の勤務日数でシフト表を作成することになります。日祝が休みで隔週土曜休みのシフトが該当するでしょう。

年間カレンダーを作成し、職員を一人一人あてはめていき、日数がオーバーしないように注意します。

1日の所定勤務時間が一定でないシフト制度の場合は総勤務時間(2085時間)内に収まっているかを確認しましょう。ただし、1年変形の制度は1日に10時間までや、連続出勤日数に制限があるので注意が必要です。

まとめ

ここまで、3つの制度を簡単にではありますが見てきました。

ご紹介したものは所定勤務時間だけにスポットを当ててみましたが、超過勤務時間も含めた勤務制度を作ることもできます。

勤務シフトの作成は長時間営業を行う事業においては必須であります。上手に労働法制度を活用して健全な運営に努めていただきたいものです。

もし、各制度やシフトについて不明な点があれば当事務所までお問合せ下さい。

 


 

主な取扱い業務の案内

就業規則
 
顧問契約
 
手続き代行
         
   

就業規則の作成や見直しをお手伝いいたします。

詳しくはこちらへ

 

顧問社労士として御社を全力でサポートいたします。

詳しくはこちらへ

 

労働社会保険の手続きを代行いたします。

詳しくはこちらへ

▲このページのトップに戻る